このページは、Accellera Systems Initiativeで行われている標準化活動やその推進に関わる情報を提供しようとするものです。日本語での情報提供が少ないなかで、少しでも彼らの活動状況をお伝えすることを目的としています。本サイトでは可読性などを考慮しAccellera Systems Initiativeを単にAccellera、またはアクセレラと表記することもあります。アクセレラの情報は、公式ホームページをご覧ください。
Accellera Systems Initiative(アクセレラ)は、世界中のエレクトロニクス業界で使用されるシステムレベルの設計、モデリング、検証の標準を策定し、その支援、促進、推進することを目的とした独立非営利組織です。アクセレラはエレクトロニクス産業に利益をもたらす技術標準を開発することが可能なオープンで幅広いメンバーでバランスよく構成されています。世界中のエレクトロニクス企業や半導体メーカーは、アクセレラで標準化されたEDA技術やIP規格を多数のアプリケーション分野の幅広いプロジェクトで使用しています。例えばコンシューマ、モバイル、ワイヤレス、自動車、産業機器、その他のスマートな電子機器向けのデバイスがその対象です。またアクセレラで開発された標準や技術はIEEEとのパートナーシップの元にIEEEに提供され、正式な標準化と継続的なガバナンスを実現しています。
アクセレラのミッションはエレクトロニクス業界が協力し、エレクトロニクス製品の設計と検証の生産性を向上させる世界標準を革新し、それを推進するためのプラットフォームを提供することです。
アクセレラの歴史はVHDLやVerilogの黎明期にさかのぼります。当時は言語戦争とまで言われた時代であり、VHDLとVerilogの両陣営が凌ぎを削っていました。VHDLがIEEE 1076標準として認定されるとVerilogもIEEE標準を目指して標準化活動を始めました。しかしVHDLとVerilogを1つのカーネルで扱うシミュレータが登場するなど、時代は両者共存へと進んでいきました。
VHDL陣営はVHDL User Group、VHDL International User Forumなどユーザーによる議論の場を設けることでエレクトロニクス業界への浸透を深めていったのに対し、Verilog陣営はInternational Verilog Conferenceにより同じくその裾野を広げていきました。この両者の議論は1996年に集約され、1999年にはHDL Conと改められました。
しかしHDL Conにおいて問題提起がされました。それはVerilogのIEEE標準化を実現するのに数年間の労力が費やされたことです。半導体やエレクトロニクス製品の多機能化、複雑化の時間軸には追従できないという懸念です。
この問題を解決するべく、IEEE標準化の前段階としての標準化作業を加速するという目的で、VIとOVIの両陣営をベースにAccellera Systems Initiativeが組織化されました。
それ以降、さまざまなIEEE標準が実現されたのはこの年表の示すとおりです。またHDLによる設計が当たり前の時代に入り、むしろ論理検証や低消費電力化の技術に注力するという意味合いからHDL ConはDVCon - Design and Verification Conferenceとその名を改めました。
その後、SPIRITやOSCIなどの標準化団体と統合しながら、標準化活動の範囲を広げてきました。
アクセレラはIEEE標準への道を加速する目的で設立されました。2004年にはIEEEのコーポレートメンバーとなり、その後もパートナーシップのプログラムなどによりその関係を深めています。
現在では「Get IEEE」プログラムが施行され、アクセレラ公式ホームページからIEEEサイトへと進むことで、IEEEの様々な言語仕様書(LRM)を無償で入手することができます。必要な言語仕様書は公式ホームページから入手してください。